なにとな。

固有魔法は足跡や靴から"持ち主"を具現化させる能力。国王軍所属時代には魔導騎士団の副総長の座に居たが、勇者抹殺計画に失敗した後、国から死亡されたと認定が下された。その実、勇者と対峙した後に逃走、その際に自分の靴から自分を具現化し、勇者に具現化された自分を谷底へ突き落とされた。今は古き友のはからいでとある組織の序列16位として(序列が下の方なのであまり招集はかからない、組織の人間には癖が強すぎる者が勢ぞろいしているので上位の者でも招集に応じない者も居る)細々と辺境の小さな森で住居を構え、静かに暮らしている。

 

「ったく、こんな時間に誰だよ…。」

 

時刻は半の11の刻を示している。昼頃までずっと二日酔いので寝腐っていた頭にノックの音が嫌に響く。

 

「序列16位、俺だ。早く開けろ。」

 

と、聞き慣れた男の声がする。こいつはたしか国王軍で冥道封魔士として働いている大男じゃないか…

 

序列16位?「その名前で呼ぶのはやめろ。コードネームの方の"足音"の方がまだマシだ。」

大男「では足音よ、このドアを開けてくれるな?今日は折り入ってお前に頼みたいことがある。」

 

こいつの頼みごとは無茶な事ばかりで嫌気が差していた。キマイラの唾液の採取、通常とは異なる特異な毒を持っていたマンイーターの毒の採取。報酬金はいいんだが、ヌメヌメの唾液まみれになったり、毒のせいで一晩中笑い続けるわで散々な目にあってきたのだ。とりあえずドアを開けて文句の一つでも言ってやろう。

 

序列16位→足音「んだよ、頼みって。まためんどくせぇ事を頼みにきたんだろ?」

大男「今回はお前にしか頼めない調査だ。採取のように危険な目にあったらすることはないだろう。」

足音「んで、その俺にしか頼めない調査ってなんだよ?」

大男「これは1人の研究者としての頼みなんだが、近頃アル街の使用されてない古街道で左右非対称の獣の足跡が発見されてな。その持ち主を具現化してほしい。」

足音「左右非対称ねぇ、どうせパッとしない科学者が作った脱走したキメラだろ?」

大男「それが、足跡の周りの木々が不自然に焦げていたり、ぬかるんでいたそうだ。これは研究者として言うのは憚られるのだが、ひょっとしたら混沌種かもしれない。」

足音「混沌種ってお前…アレは伝説上の生き物だろ?つっても前に居た魔王も光と闇の混沌種だったらしいけど…」

 

混沌種。本来ならば第一属性、第二属性…と階段状に得意な属性が決まっている(例えば足音の場合、土属性が100の高さ、闇属性が80の高さ、火属性が60の高さにある」が、ごくごく稀に階段状を無視して同程度に得意属性を得られた者も居る。それが魔王だ。魔王は光90と闇90の混沌種で、固有魔法は防御不可の「絶対的な死」だったらしい。が、第一属性が光、第二属性が風だった勇者の「慣性に介入する」固有魔法で自身に向けられた「絶対的な死」の慣性に介入し、方向を魔王自身に向けさせて討ち倒した、という最近綴られた冒険譚がある。

 

混沌種が発現したのは200年前に居た"女神"と、5年前の"魔王"しか記録に残されて居ない。

 

大男「そういうことだ。お前が足跡から具現化、具現化された魔物から混沌種かどうか判断する。混沌種は制約として常に二つの属性を体に宿しているからな。」

足音「具現化するだけならいいぜ。そんなにマナを消費しないからな。で、報酬金は?」

大男「そうだな、混沌種だった暁には100万ゼニーだ。混沌種でなくとも10万ゼニーは保証する。」

足音「へへ、乗ったぜ。じゃあ早速古街道に行くとするか!」

 

途中まで書いて満足するのほんとにやめたいな…まぁいいか、自己満足だし。